009_Active Shooter対応のE-learningが始まった話
最近なかなかブログを書く時間がなかったのですが、私の勤めている企業では、アメリカで多発しているShooting事件(銃撃・銃乱射)に対応できる心構えを持つため、全従業員に対してE-learningが始まったので少し共有します。
ご存じだと思いますが、アメリカはここ数年異常な数の銃乱射事件がおきてます。
先日もメーン州で耳をふさぎたくなるような大きな卑劣極まりない事件が起きました。
もちろん銃乱射事件に限らず、中東で起きてる戦争も似たようなものです。正直人の命を奪う人間に情状酌量の余地はないと思っています。
アメリカではおおよそ毎日、どこかで4人以上の方が怪我・亡くなる銃による事件が置き続けています。銃乱射事件の発生件数を毎日つぶやいているXのアカウントもあります。
それなのに銃規制は進まないし、会話ができないような人が銃を持っているケースもあります。
正直、明日は我が身すぎて、本当にどこにいても住むのは怖いです。
以前から書いてる通り、私は結構防犯情報を気にかけて行動している人間です。
なので大きなイベントごとに参加するときは怪しい人がいないか周りを見渡したり、常に気を張って生活していたりするのですが、それでもいつか遭遇するのかも、という恐怖はぬぐえません。
そんななかで、会社が始めたE-learningが非常に興味深かったので少しかいつまんで紹介します。
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まず、そのような現場に遭遇した場合に最優先とすべきは自身の安全です。
もちろんお子さんがいたらお子さんもつれて逃げなければなりません。
いつか来るかもしれないその時のために、どう行動するかは常に考えておくと良いと思います。
私も息子がそろそろ20㎏に到達するので、正直抱っこして全力で走れる気がしません。そういうときにどうするか、常に考えながら行動することが予防になるかもしれません。
①対処方法・・・銃の発砲音が近くで聞こえたとき、犯人が目の前にいるとき
1:RUN
- 走って逃げることが安全なときはとにかく走りましょう
- 人が大勢いるとき、どこで何が起きてるかわからないが一斉に走り出したときは流れに乗って走りましょう
- 建物のEmergency Exitや通常のExit、広場であればどこに逃げるのがもっとも効率的でかつ安全かを考える癖をつけましょう。
- 自分の身を隠せるような高さのものが周囲にあるときは屈んで、出来るだけ体制を低くしましょう
2:Hide
- どうしてもExitが見つからないときには身を隠しましょう
- 身を隠す場所は、できるだけ部屋(Lockかバリケードが作れる場所)が適切ですもしどうしてもそのような場所が無いときは、体の形・吐息などが漏れないようなカバーとなるものがある場所に身を潜めましょう
- スマホから音がでないようサイレンスモードや機内モードにするなどの対応をとりましょう。バイブレーションも切ってください。
- 部屋に隠れることが出来た場合、万が一ドアを開けられたときのため何か自分の身を守れるものを手にして、攻撃もできる体制をとりましょう
3:Fight(どうしても戦わざるを得ないケースのみ)
- どうしても戦うしかない時は、手当たり次第武器に出来るものを使って相手が動けなくなるまで戦いましょう。
- かっこよく、傷つけないように、というのは無駄な思考です。相手は銃を持っています。とにかく目に付く武器にできそうなものを使ってください。
- あまり攻撃の経験が無い方は、まずは銃の動きをとめるよう手を狙ってください。その後、正中線(口・みぞおち・金的)に目掛けて攻撃してください,
なお、このE-learningでは”犯人のいうことを聞く”という選択肢はありませんでした。
おそらくActive Shooterと言われる、無差別に殺人を起こす人間相手のケースを想定しているので、”言いなりになるやつを生かす”ような人間を想定としたものではありませんでした。
上記の内容は、読んでみると「なんだそんな話か」と思うかもしれませんが、パニックになると「なんだそんな話」を思い出せなくなるのです。
だからなおさら、読んでください。妄想でいいので、対処法を思考してください。
②心構え・・・
1.避難口・ルートを検討する
よく訪れる場所、職場、アパートなどの場合、避難口を確認しておきましょう。
どこにいても最短ルートが見つけられるように、事前にルーティングも検討してみましょう。
これは事件のみでなく、何かしらのトラブルや災害にも適用できます。つねに最短で外に出る方法(外が安全であれば)を検討しましょう。
2.警察に伝えることと情報の事前把握
もしこのような事件に遭遇した場合、自分の安全が確保されたあとでいいですが、警察に連絡する必要があります。
私のようなNon-nativeはパニックで上手な英語を話せるわけもありません、事前に何を伝える必要があるかを把握しておきましょう。
- 犯人の特徴(肌の色・服の色・武器)
- 犯人の位置(わかれば)
- 犯人の数(わかれば)
- 自分の居場所 ← これが重要です。
自分の居場所についてですが、チェーン店や職場であればCity名とその建物名を言えばわかるケースがありますが、ガソリンスタンド・住宅街の場合は、その通りの名前も必要となります。
日本とは違って、アメリカは全ての通りに名前がついてます。
その通りの名前を出来るだけ覚えるようにした方がいいです。
自分の近所・よく行く場所もですが、その日向かう場所目的地の住所、近くの大通りの名前、できるだけ覚えたうえで行動したほうが後の安全に繋がります。
③OODAループについて
どんな時もできるだけ冷静に、かつ効率的にいられるの思考方法として、OODAループが紹介されていました。
OODAとは
- OBSERVE 状況観察
- ORIENT 状況判断
- DECIDE 意思決定
- ACT 行動
の頭文字です。
社会人だとPlan Do Check ActのPDCAサイクルというものを聞いたことがあると思いますが、それよりも状況変化につよい思考ループと言われています。
銃撃事件のような、パニックに陥りやすい現場において冷静にいられるかという問題はあるかと思いますが、
このOODAループの癖をつけると、ものごとを素早く判断する思考が癖づきます。
周囲をしっかり観察し、何が起きてるのかを理解し、どう動くのがベストかを判断、決定して動き出す。
これは仕事においても非常に有効なものですので、ぜひ思考の癖をつけるようトレーニングをしてみてください。
以上がおもなE-learningの内容でした。
上述の通り、日本に住んでる人からすると「あほっぽい」「ばからしい」と感じてしまうかもしれませんが、海外にくるときはいつどこの誰が銃を携帯しているかわかりません。
何がおきたらどう動くか、こう動かれたらどう動くか、、と自分なりの妄想をしてみてください。
たくさんの妄想をするにこしたことはないです。正直。
自分や子供の命を守れるのは自分しかいません。
私はアメリカという国が好きですが、銃規制の遅さ、あまりに誰も動いてないこの現状においては非常にフラストがたまっています。
近々環境が変ってくると良いですね。
でもさ、「銃をやめよう」という人がいたとして、それに敵対する人ってさ、
確実に銃を持ってるんだよね。
戦争が無くならないわけだわ。
次回ちょっとDEIについて語ります。DEIってなんやねんって話です。