アメリカ駐在中のわーまま雑記

いろんな経験談です。きっと

003_アメリカに猫を連れて行ったときの話(長め)

tahoe1020.hatenablog.jp

 

以前の記事でも書いた通り、我が家には猫がいます。

日本で飼い始めたので、駐在の辞令を頂いてからアメリカに連れてくるための色々な手続きを踏む必要がありました。とにかくいろんな考慮が必要で、かなりの労力を費やしたため、ここに記録として残していきたいと思います。

 

このブログは大きく分けて3つのカテゴリーに分けて記載をします。

本来であればそれぞれ記事に分けてもいいくらいだとは思うのですが、

私が出国する際、すべてのステップが一つにまとまった記事が無くて、いろんな記事を読み漁りながらリスクを理解せねばならず、とても苦労したので一つにまとめます。

 

  • 検疫関連・・・必要な検査、手順、スケジュール感、申請関連の話
    • 手順とルールの事前確認
    • スケジュール作成
    • 動物病院への伝え方
    • 出国当日動物検疫所での動き
    • アメリカ入国後
  • 飛行機関連・・・予約時の申請や気をつけること、空港到着後の対応など
    • 予約前にチェックすること
    • 予約時の確認事項
    • 出国までの準備
    • 当日~乗り継ぎ
  • 所感・・・その他気をつけること関連

 

本ブログは、「これが正しい手順です」という意味でのブログではなく、あくまで一つの事例、どんなリスクがあったか、どんな経験をしたかを共有するためのブログです。

どうかそこをご理解いただいたうえで読んでいただけたらと思います。

(※ペット輸出は飼い主様の責任であることをご理解ください。)

 

前提情報:

  • ペット  → 猫1匹
  • 時期   → 2022年3月頃
  • 出発空港 → 成田
  • 行先   → アメリカのとある州
  • 航空機  → 直行便無し、会社指定の航空会社を使って日程+便を選択する必要あり

 

それでは長くなりますが興味のある方のみご参照ください。

 

 

1.検疫関連

 

<手順とルールの事前確認>

まず、出国の大前提として、何をしなければいけないかを調べる必要がありました。

私が最初にチェックしたのは以下の3つのホームページです。

 

     ※FAQももれなくチェック下さい( 日本からの犬、猫の持ち出し:動物検疫所

  1.  
  2.  
    • 渡航先となる州のDepartment of Agricultureのホームページ

     ↑その州に入国するための条件が記載されています

 

我々の場合、CDCのホームページ上では 猫に狂犬病の抗体検査結果はマストではないという文言がありますが、私の住む州の要件として生後6カ月以上の猫には抗体検査がマストというルールがありました。

そのため、猫に狂犬病ワクチンを打つ+抗体検査をするという行為が出国前に必要であることが理解できました。

 

これらホームページ上の情報より、我が家のケースでは以下を実施しなければいけないことを理解しました。

ここから怒涛のスケジューリングが始まります。

  • 狂犬病ワクチン接種
  • 狂犬病ワクチン抗体検査(血液検査)
  • 開業医による健康診断書発行 ※出国日から10日以内
  • 輸出検査申請書作成
  • 輸出検査@検疫所
    • 予約+事前の書類レビュー

また、我が家の猫は子猫時点でマイクロチップを装着していたのですが、装着は申請時もアメリカ入国にもマストですのでワクチン接種と並行して、なるはやでご対応下さい。

 

<スケジュール作成>

やらなければいけないことが決まったら、ここからスケジュールの明確化が必要です。

企業によって差はあると思いますが、辞令が出てから出国までだいたい3~4カ月ではないでしょうか?

私たちの場合も12月半ばに連絡を受け、3月半ば~後半での出国だったのでかなりバタバタしました。

日本では猫の狂犬病ワクチンはそこまで推し進められていないことから、全く知らなかったのですが、狂犬病ワクチンは2回接種が必要で、2回目接種後1週間以上経過してから採血+検査機関への血液送付+3~4週間後に検査結果が出る。。

ということで、動物病院との連携のためにも以下のようなスケジュール表を作成して、動物病院にもっていきました。

 

<出国までのスケジュール>

  • 1回目ワクチン接種+説明    12月X日
  • 2回目ワクチン接種       1月X日 (1回目から4週間空ける)
  • 採血              2月X日 (2回目から7日空ける)
  • 血液の送付           2月X日 (採決後最速で送付するよう依頼)
  • 結果の入手           3月X日 ※自宅に送られてくる
  • 出国前検査           3月X日 出発前10日以内
  • 出国              3月N日 

 

これとも別に、自分自身の備忘録のためにも以下の日程を付け加えていました。

 

  • 1回目ワクチン接種+説明    12月X日
  • 2回目ワクチン接種       1月X日 1回目から4週間空ける
  • 採血              2月X日 2回目から7日空ける
  • 血液の送付           2月X日 採決後最速で送付するよう依頼
  • 航空便の予約          2月X日
  • 検疫所の出国前検査予約     2月X日
  • 結果の入手           3月X日 ※自宅に送られてくる
  • 検査前の申請書事前レビュー   3月X日 検疫所にメール/ FAXで書類提出
  • 出国前検査           3月X日 出発前10日以内に実施
  • 出国              3月N日 

 

実際には赴任において、VISAの申請・引っ越し準備などさらにやらなければいけないことがたくさんあると思いますので、全体を一つのExcelや紙に見えるかすることをお勧めします。

また、出向に伴う業務の引き継ぎなどもあると思うので、そこも踏まえて事前に日割りでKeyとなる日程を決めていく(記録していく)ことをお勧めします。

実際この日採血にいこう~と思ってた日に急遽大使館訪問が入ったり(そのタイミングしか空いてなかった)、いろいろ起きえます。

いろいろ起きえるわりにケツが決まっているのでしっかり一つ一つタスクをこなしていかなければいけません。

 

<動物病院への伝え方>

まず、かかりつけの動物病院には予約の電話の時点で 海外に猫・犬を連れて行く鉄付きに関して経験があるかをききました。

幸いにも私の動物病院は数年前に1度だけ犬を連れて行ったお客様がいたとのことで、なんとなく書き物や、血液検査があることなどを理解してくれていました。

 

私の場合、あまり日程に余裕もなかったので以下をもって

初回のワクチン接種時に手順と日程感を説明しました。

  1. 動物検疫所の輸出手順を記載したページを印刷した紙
  2. 動物検疫所の各種フォーマット(自分の分は鉛筆で記載済のもの)
  3. 狂犬病抗体検査申請手順を記載したページ ※生物科学安全研究所
  4. 狂犬病抗体検査申請フォーム (記載できるものは事前記載しておく)
  5. 日程表 ※期待値を伝えるため
  6. 補足としてCDCの猫輸入要件と、住む州の輸入要件を印刷した紙

正直少しやりすぎなくらいだったかと思いますが

事前に何をしなければいけないかが明確になって、おおよその日程も初回で決めることができたのは成功だったと思います。

おかげ様で、出国までにとくに大きな問題もなく日程通りに完了し、当日の動物検疫所での出国前検査にたどり着けました。

 

<出国当日動物検疫所での動き>

出国日が決まったら、動物検疫所に連絡をして、輸出検査を行ってもらう必要があります。

枠が限られているので出来るだけ早めに連絡することをお勧めします。

私のときはコロナがあけてない時期だったので、ほとんど渡航者もおらず問題ありませんでしたが、最近はもしかしたら前日に検査を受けるようなケースもあるかもしれません。

なお、書類についても検疫所の方が事前にチェックをしてくれます。

私の場合はPCで各種書類をスキャンして送付しました。

検疫所の方はわりかしレスが早く、

「ここはこういう書き方をしてください」

「当日はこれとこれをもってきてください、これは不要です」

などなど、とにかく1~10まで説明をしてくださる神対応でした。

おかげで当日、初めてのことに心配もありましたが、だいぶ心が軽かったです。

 

※本記事を書くにあたり再度動物検疫所のホームページを読んでいたところ問い合わせの対応遅れについて言及がありましたので、なるべく日程が決まり次第時間に余裕をもって連絡していただくのが良いと思います。

成田空港及び羽田空港を利用して犬猫を輸出入される方へ(問合せ対応の遅延) NEWアイコン
現在、成田支所及び羽田空港支所においては、犬猫の輸出入を予定している方から非常に多数の問合せを受けております。
そのため、御電話がつながりにくく、又、いただいたメールへの返信に概ね4から6日を要しております。
出典:ペットの輸出入:動物検疫所

 

予約した時間になると、指定された場所で、検疫所に電話をかけました。

ご担当の方が迎えにきてくださり、検疫事務所まで連れて行ってくれ、各種書類の受領およびに、猫の身体検査を実施してもらいました。

検査完了後は、最終的な検疫証明書の発行を待っている間に、再入国する際の手続きについて説明をしてくださりました。

正直めちゃくちゃ紳士的対応です。動物検疫所のファンになること間違いなしでした。

 

アメリカ入国後>

アメリカ入国後、我々は乗り継ぎがあったので最初の到着地で猫を受け取りました。

その辺にいる人に聞きながらサービスカウンター(荷物受け取る場所のすぐそばにあった)に連れて行き、発行してもらった証明書を渡して、応対してくださった人が色々書いたりなんだりして、猫が入った入れ物にタグをつけてくれました。

その後、特に何もありません。

ただ乗りついで、ホテルに到着し、その後何か特に対応する必要はありませんでした。

 

生活が落ち着いてから猫を初めて獣医に連れていく際に、輸出検疫の証明書や申請の際に使用した書類を活用しました。

これまでのワクチン接種歴(※有効なもの)がわかるのといつ入国してどのくらい動物病院にかかってなかったなどが英語で伝わるので、便利でした。

それ以外で、1年たった今も何かの提出や求められたようなケースはありません。

 

というわけで検疫編はおしまいです。

 

 

2.飛行機関連

 

<予約前にチェックすること>

赴任にあたり、航空会社が会社より指定されていました。

私の場合はANAUAユナイテッド航空)です。

まずは航空会社のペット輸送に対するルールを確認します。

主に気にしたのは以下のような点です。

  • 自分が乗る航路においてペット輸送が可能そうか?
  • ペットはどこに搭載されるか?
  • ケージに対する要件
  • 金額・申請方法

日本~米国便のANAは非常にクリアでした。

www.ana.co.jp

一方で、ユナイテッド航空は少し分かりづらく(英語だからか?)、予約前に何度か電話をさせてもらいました。今見ると多少ホームページのレイアウトが変って少し分かりやすいですね。

私が利用したときにはすでにペットセーフというペットをカーゴエリアに積みいれて輸送するプログラムが中止されてしまいました。

そのため、UAを使用する以上、猫を客室に入れる必要が出てきます。

www.united.com

 

ANAは飛行時間が長いことから水を飲めるよう準備する必要があり、それを考慮するとどうしてもUAのシート下に入れることが出来る大きさのハードケージが存在しなかったので、我々はケージを二つ準備しました。

 

参考までにどんなものにしたかをご紹介します。

 

1.ANA便用(日本→アメリカ)ハードケージ

 


 

2.UA便用(アメリカ国内便)ソフトケージ 

 


 

 

飛行機会社によって、きっちりケージに対するサイズの規定や、決まりがありますので、購入前にかならずチェックするようお気を付けください。

 

 

<予約時の確認事項>

 

便を予約する際の確認事項についてです。

私たちの場合は、便を予約するのは私の会社が契約している旅行会社の方でした。

 

そのため便を事前にある程度決めておいて、まず1つ(大本命)を抑えてもらったうえで、ペット輸送について個別にANAUAに電話をして追加でペットを運ぶ旨の連絡をしました。

時期的にもコロナ影響で渡航者が少なかったので、とくに問題なく大本命の機体で輸送ができましたが、時期や機体によってはペット輸送がすでに定員(ペットを何匹載せれるかみたいな決まりがある)に達しているケースもあります。

 

渡航便を決める際は事前にいくつか候補を探しておいて、会社の旅券発行担当と調整するか、自分自身で予約をすることをお勧めします。

 

予約したい旨伝えると、担当の方が航空会社のWeb pageに記載のあるルールや要件を説明してくれます。

また、予約時ケージの大きさやケージ+動物の重量がどの程度かを聞かれるので事前に確認し、メモっておいた方がいいです。

 

 

<出国までの準備>

出国までの準備として、ケージ以外の必要なものを購入、また、餌問題&トイレ問題をどうするかを検討しておいた方がいいです。

 

①餌問題

アメリカは肉輸入禁止の国なので、基本的に肉で作られたものや肉エキスの入ったものを持ち込めません。

そのため餌を日本から持ち込めません。手荷物もダメです。

我々は到着翌日の朝に、ペットショップに向かってアメリカの餌+トイレセットを購入するつもりではおりました。

他の人のブログを読んだときに、出国前に餌を食べさせると、フライト中に吐いてしまうかもしれない、というコメントがありました。

ただ我が家は以下のような理由で出国前の空港で餌を与えました。

  • Door to Doorで餌を入手できるまでに最低でも30時間以上かかりそう
  • 餌が入手できる場所に好みの餌がないと食べない可能性もある ※猫がわがまますぎる
  • 餌を食べないと水分を取らない可能性が高い
  • 吐いたら拭きゃあいい

我が家のわがままレディはかなりの食通なので、食べたいものが決まっていて、ちょっとでも違うものを与えようものなら一切無視します。

一方でかなりお腹がペコペコになるとお腹を下したりなどとセンシティブでもあるので、水については、ケージに取り付けられるタイプが以下のタイプしかなく、これまで何度もトライしてもこのタイプの給水機から水をきちんと飲めた試しがなかったので、餌+水で与えないと、水を接種しないだろうと思って30時間近く水を飲めない状況が続くことは避けたかったです。

 


 

 

②トイレ問題

 

長いフライトにおいて餌+トイレは検討必要です。

また、他の方のブログなどを読み、おそらく猫は飛行中にくつろげず、トイレをしないだろうと考えていましたが、ホテル到着から翌朝までの間にはトイレをするでしょうから、念のため下のポータブルトイレを購入しました。

 

我が家の猫はトイレをきちんと覚えてくれるタイプの子だったので、出国1カ月前からこちらのトイレを使うようにして、できるだけこのトイレに慣れさせました。

ポータブルトイレは新品の紙タイプの猫砂を満たした状態でスーツケースに入れて持ち込みました。


 

 


 

 あと、ハードケージもソフトケージもどちらも念のため、ペットシーツ二枚重ねで敷いておきました。

 

③精神面の問題

 

我が家の猫は家猫で、それほど車にも慣れてないですし、新しい場所に行こうものならお腹を下したりとかなりセンシティブです。

普段も甘えん坊ではないですが(抱っこ嫌い)、後追いがひどく、どこにいても私の声がするとその近くにやってきます。

 

そのため、猫をどうやって安心させられるか、というのも懸念ではありました。

我が家は他の方のブログを参考に以下のスプレーを購入してみました。

実際には病院から鎮静剤?みたいなのを処方してもらえるケースもあるようなのですが、私が渡航前検診の際聞きそびれてしまって完全に失念してました。

 

当時このスプレーは下図の”リニューアル”前だったので、飛行機に持ち込めました。

今はガス式っぽいので持ち込みが難しいかもですね。

 


 

 

正直、効果があったかどうかはよく分かりません。

車で成田空港に移動している間も泣き続けていたので、とてもではないですが、落ち着いた状態ではありませんでした。

ただ、アメリカ到着直後にゆるい便をしなかったので、何かしら良い方向に働いていたのかも?と思うことにしています。

 

 

<当日~乗り継ぎ>

ということでとうとうやってきました。

出国当日です。夕方の便(成田発)ですが、朝7時には家を出て、家族全員で1時間半のドライブをしながら成田空港に到着しました。

 

先述の通り猫は泣き続け、3才の息子は大興奮、親二人はへとへとに疲れていました。

義母にも来てもらっていたおかげで、私たちが荷物や猫の検疫やらでばたばたしている間、義母が息子を見てくれたりと、とてもありがたいサポートをしてくださりました。

 

猫は検疫所での最終検査を受けて、一息ついたらサービスカウンターに向かいました。

猫とはここでしばらくのお別れ、ものすごく不安そうな顔をして座っていた猫の表情を今でも忘れません。

飛行機にのって十数時間のフライトに揺られ、到着したハブ空港で大きな荷物とともに座っていた猫を見つけたときは家族みんなで走ってかけよりました。

少し疲れたように座り込んでいて、出国前に餌と水を摂取したので吐き戻してました。

やっぱりかと思いつつ持っていたペットシーツやティッシュでふき取り、なんとかサービスカウンターでタグをもらい、UAへの乗り継ぎです。

 

乗り継ぎ前に、荷物を一度受け取るので、キャリーバッグからソフトケージを取り出して、UAのカウンターの目の前で猫を移動。

ハードケージはUA便では預入荷物として追加してもらいました。

その後は猫をつれて空港内をうろうろ。

ニャーと鳴く元気もないのか少しぐったりとした様子の猫でしたが、なんとかホテルに到着した際には回復してくれて、トイレも特にゆるくならずに済みました。

 

 

3.所感

ということで長くなりましたが、以上が我が家の経験談です。

色々と考えることが多く、また一つでもミスをしてしまうと海外に連れていけないというのはとてもヒヤヒヤすることでした。

キャリーが予定通り届かなかったらどうしよう、など思いつくことは多々ありました。

 

検疫については、一番懸念でしたが、本当にスタッフの方々が神対応でしたし、役所特有の”上からコミュニケーション”みたいなのも一切なく、本当に最初からもっと頼っておけばよかったと思うほどでした。

一点苦情というかネガティブな話をさせていただくとホームページが分かりづらいです。

難しい話なのでしょうがないのですが、あれこれいろんな情報がいろんな場所にまかれているので正直分かりづらくて、もっと分かりやすかったり紙に頼らないシステムが作れないものかな、、という気持ちを抱いたりしました。

要求仕様書やお客様視点での評価はできそうなので、ぜひ必要であれば私までお声かけください。笑

 

ということで、本当に大変でしたが猫は元気に暮らしています。

こちらの動物病院でのもろもろについては別途違う記事にしたいと思います。

 

そして・・もう1年後には帰国を検討しなければいけないのに、犬をアメリカで飼い始めたので、次は犬と猫を両方日本に持ち帰るステップを踏まなければいけません。

 

 

 

こえーーーー!!!

 

 

誰かやってー!!!

 

 

自分でやるの嫌だ―!!!!

正直こんな気持ちです。考えるだけでしんどいのですがそろそろ動き始めないとですね。

また日本に連れ戻したときには記事にしたいと思います。

 

長い文章でしたがお読み頂き、ありがとうございました。

誰かの役に立てば幸いです。