002_アメリカの医療の話
ということで、早速ですがアメリカの医療(一番の悩み事)についてお話します。
1.医療保険について
アメリカは日本と違って国民健康保険や社会健康保険みたいなのがないので自分で保険会社と契約をしなければいけません。
もっと詳しい話をするとオバマケアだったりなんか色々オプションはあるのですが、ここでは駐在員としての経験を共有します。
私の場合は駐在員としてアメリカで暮らしており、会社から指定されている保険会社に会社から指定されている条件で契約しています。
駐在員パッケージみたいなのです。家族分こみで月数百ドル払っています。
2.病院について
医療
アメリカには大きく分かれて3つのカテゴリーのお医者さんがいます。
①Family Doctor(Primary Doctor) ・・・かかりつけ医。定期健診や予防接種、緊急性のない悩み事を相談する。予約とるのに時間かかりがち。
②Urgent Care・・・急な高熱や発熱・怪我などで当日~翌日くらいの間に治療を受けたい場合に訪問する場所。だいたい行ったあと「後日かかりつけ行けよ」と言われる。
③Emergency Room・・・呼吸器や事故にあったときなど本当にヤバいときにだけ行く場所。なかなか数も少ないのに、行くとめっちゃ待たされがち。
基本的に日本人感覚でいくと、②のUrgent Careに行くことが多いです。
②でも処方箋を出してくれる&レントゲン出来るところが多い&骨折くらいの症状であれば簡単な処置をしてくれます。
私たちの経験でいうと、家族がコロナに罹り息子の熱が異常に高かったときや、私が腎盂腎炎、尿管結石などを発症したとき、また息子がクループ症候群、腕の骨折をしたときも、まずはUrgent Careにいきました。
地域差はあるかもしれませんが施設数もUrgent Careの方が多い気がします。
治療方法は日本とは大きく変わりませんが処方される薬が少し違ったりはあります。
息子のクループ症候群のときは、程度がひどくなかったのでその場でステロイドシロップを一杯飲んだだけでした。日本だともっとおおがかりに吸入したりすると思います。
3.医療費について
支払い方法
- 日本と同様、病院での治療後その場で支払いをするケースもあります。
- ただ帰宅後に請求書が送られてくるケースが多く、あとで請求書を受け取ってCheck(小切手)を切るなり、Web上で支払いをするケースもあります。
金額について
私たちの経験上Urgent Careで支払ってきた金額はだいたい100ドル~300ドル程度。100ドル以下に行くこともなければ、300ドル以上になることもないって感じですね。
(実際のTotal医療費は300ドル~600ドルくらいで、保険会社が入って、なんやかんやあって支払うのが100~300ということです。)
はい、まぁそれだけでも分かりますが、結構高いんですね。医療費。
だって100ドル=1万4000円くらいですよ。日本の病院で1万こえることって結構無いですよね。
もちろんUrgent Careにもいろいろあって、CVS やWalgreensという薬局に併設されている超簡易病院(処方箋だけを書いてもらうような場所)だともう少し安かったりはしますが、それでも日本の感覚とは大きくかけ離れている気がします。
医療費において、我々の経験上はUrgent Care/Family Doctorはそれほど大きな差はないと思います。
Emergency Roomだけが唯一特異です。
先日息子の咳が止まらず、吸入も効かない、咳がひどくて吐き戻し、とにかく眠れないという状況が発生し、酸素濃度が93%だったことからEmergency Roomにかけこみました。夜9時半頃のできごとです。
9時半に入ってすぐに小さい部屋でVitalをチェック、症状を説明。その後1時間半以上待たされました。
ようやく個室の治療室に再度入れても、そこからさらに1時間ほどまたされ、息子はその間にいつのまにか咳も収まり爆睡。。。
先生が来る前に、「ねんのためX-rayとっておくね」と看護師さんがご連絡くださり、簡易X-ray機みたいなのを抱えた人がきてパシャッと写真をとり、そこから1時間ほど待ち、先生がきて「もう特に何も問題なさそうだね」と。
「今日この場で出来ることはないから、かかりつけ医に相談しな」と。
もちろんこんな冷たい言い方じゃないです、穏やかな声色でそういわれました。そのご1時間部屋で待たされてようやく書類が整って帰宅。ERに来たのに何も治療なく帰宅。しょうがないんだか、なんなんだか。。。
それから数週間後、医療を受けた病院からの請求書が届きました。
支払い金額50ドル。これまでの経験から安すぎんか?と疑問でした。が、まぁラッキーと思って、支払い。その後、一週間たって、再度請求書が届きました。支払い金額850ドル。
いや驚愕です。
マジで驚愕でした。
一つめの支払いはなんと、最初に入った小部屋でのVitalチェック分のみ。
X-rayを含む約3時間待たされただけの診療に850ドルが請求されたのです。
え、なんで???診療費内訳をみるとは”ERだから”という内容でした。X-rayの金額自体はUrgent Careで受けたX-rayとも変わりませんでした。
ERは二度と使いたくないです。正直なんのメリットもなかったです。
症状的に、ERに行くべき症状ではなかったんだろうな、と後から考えたりもしましたが、いやわかるかい。
4.所感
アメリカでお医者さんにかかるという行為に対して、常に一瞬「ん、本当に行くべきか?OTC(薬局で買える薬)でなんとかならないか」と気を張ってしまうようになりました。
アメリカ人とこの話をしていると、アメリカ人ですら同じく、だそうで、「OTCでなんとかする」というマインドセットが大事だとのことでした。
日本よりもOTCで普通に効き目のつよい薬が買える=信頼できる、からこそ出来るマインドセットかもしれませんが、”医療費が高いからOTCでなんとかする”という考えを持つという思考フローがとても衝撃的でした。
逆にアメリカに住んでる人が日本に来て、緊急治療を受けたとき、X-rayも込みで8000円しか請求されなかったらしく、安すぎて衝撃を受けたとも聞きました。
日本は医療システムにおいて本当に優れた面がありますし、国としてのサポートが手厚いです。
あと数年の駐在期間の間に何度病院にかかるかわかりませんが、総額5,000ドルとかになりそうだなぁ、と涙しています。
日本を出る前に、自分の健康保険+こども健康保険には入ったので
ちょっと大きめな病気であれば健康保険がカバーしてくれるのですが、、そこにまで至らない病気の方が多いので、なんだかなぁと悩んでいます。
同じような人がいたらぜひ経験談を共有いただきたいです!
それではまた次の記事で!